理事長あいさつ
このたび、2025年6月30日開催の学校法人藍野大学理事会におきまして、前副理事長の私、山本嘉人が新たに理事長に選任されました。これまで本法人の教育と経営の両面に携わってまいりました経験を礎に、時代の要請に応じた開かれたガバナンスと持続可能な価値創造に取り組んでまいります。
これまで本法人を支えてこられた諸先輩方に深く敬意を表するとともに、日々の教育・研究活動を担ってくださる教職員の皆様、学びに励む学生・生徒の皆さん、温かく見守ってくださる保護者の皆様、さらには地域社会、支援者、卒業生の皆様に、心より御礼申し上げます。
変革期における学校法人の使命
私たちが設置・運営する高等教育機関は今、かつてない変革を迫られています。2025年2月の中央教育審議会答申「我が国の『知の総和』向上の未来像~高等教育システムの再構築~」においては、「個人の多様な可能性を引き出し、社会に開かれた学びと研究の好循環を創出する仕組みづくり」が強く求められました。教育・研究の質の保証とともに、地域との共創を通じた「知の公共性」の再構築が、大学をはじめとする教育機関に課されています。
本法人は1968年の創設以来、建学の精神「愛智精神〔Philo-sophia〕にもとづく人間教育」のもと、人間愛と智性、情操を涵養し、継続的な自己研鑽と深い探究心を備えた医療従事者の養成に取り組んでまいりました。今後もこの使命を継承しつつ、より広く社会課題に応答できる「開かれた学びの場」を創出してまいります。
法改正を踏まえたガバナンス改革と説明責任
2025年4月に施行された改正私立学校法は、学校法人に対しガバナンスの強化と説明責任の徹底を求めています。理事会・監事・評議員会の役割明確化、役員構成の透明性、会計監査人の設置、情報公開体制の整備など、制度面において「形式から実質へ」と転換する構造改革が進行中です。
私はこれらの制度改正を、単なる遵守事項ではなく、教育の本質を問い直す絶好の機会ととらえ、現場の声を丁寧にすくい上げながら、対話と共創を重視した組織運営を進めてまいります。「透明性ある説明責任」「共感と信頼に基づく合意形成」「柔軟かつ責任ある統治体制」の確立こそ、これからの法人経営の要であると確信しております。
未来へのビジョンと持続的価値創造
学校法人藍野大学では現在、「AINO VISION
2035」に基づき、中長期的な価値創造に取り組んでおります。「共創による地域課題の解決」「実践知の継承と革新」「全人的教育の深化」を柱に、地域と医療・教育の未来をつなぐ学びの共同体として、設置校それぞれの特性を最大限に活かしてまいります。
私はこのビジョンを力強く推進し、本法人が社会から信頼され、未来を切り拓く存在であり続けられるよう、不断の改善と挑戦を重ねてまいります。
すべてのステークホルダーの皆様へ
学生・生徒の皆さんへ。
皆さんの学びは、資格取得のその先にある「生きる力」を育てるものです。仲間と支え合いながら、自らの可能性に挑んでください。私たちは皆さんを信じ、全力で支援します。
保護者の皆様へ。
本法人の設置校にお子さまを託してくださっていることに、深く感謝申し上げます。安心して学びを委ねていただけるよう、教育環境の整備と誠実な運営に努めてまいります。
教職員の皆様へ。
皆様の専門性と献身こそが、本法人の力の源です。自由で創造的な職場環境を共に築き、挑戦し続けられる組織文化の醸成にご協力をお願いいたします。
地域社会の皆様へ。
私たちは地域に根差し、地域と共に歩む学びの場であり続けたいと考えています。これまで以上に連携を深め、地域課題の解決にともに取り組んでまいります。
卒業生の皆様へ。
皆様は本法人の誇りであり、社会の第一線で活躍される大切な存在です。次代の学び手を支える力として、どうか母校との絆を一層深めていただければ幸いです。
支援者・関係機関の皆様へ。
平素よりのご理解とご支援に、心より御礼申し上げます。引き続き、教育・研究・社会貢献の場においてご指導賜りますようお願い申し上げます。
結びにあたって
私は理事長として、「共創」「現場重視」「対話」「挑戦」の姿勢をもって、開かれた法人運営を推進してまいります。教育を通じて「知の総和」に貢献し、変化を恐れず、志ある未来を共に築く――そのために、すべての構成員と力を合わせて邁進してまいります。
今後とも、変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。